ふわりと広がる虹のグラデーション。
思わず「かわいい…きれい…」とため息がもれる「雨上り」は、新潟県の老舗和菓子店「越乃雪本舗大和屋(こしのゆきほんぽやまとや)」が手がける季節限定の上生菓子です。ガラス皿にそっとのせるだけで、涼やかな雨上がりの空を見ているよう──その繊細な美しさを、五感で味わいます。
今回は、SNSでも話題の「和菓子かわいい」世界を、実食レビューします。記事の後半では同店の看板商品「越乃雪」もご紹介しています。ぜひご覧ください。
ときめく虹色!かわいい上生菓子
約2年前からSNSをフォローしていた越乃雪本舗大和屋さん。
「雨上り」は、雨上がりの空にかかる虹が表現された上生菓子です。
同店のSNSで偶然みかけたのだけど、その時の胸の高鳴りといったら! もう、もう・・・ときめいてしまった。

※季節限定。現在は販売終了しています
光に透ける虹色は、磨りガラスのように柔らかな空気をはらんでいて。お皿にのせて、間近で見てみたいという強い欲求に任せるまま注文しました。
「雨上り」を実食!

もっちりとした弾力の求肥、あんこの優しい甘みが口の中でとけあう幸せ。
口溶けがなめらかな白あんは主張しすぎず、全体にバランスのとれた味わいに仕上がっています。
虹色の和菓子「雨上り」
主役は、紫、青、緑、黄色、薄紅を表現した虹色の細工羊羹。それを白あん入りの大福にまとわせています。
梅雨の時期に登場する和菓子としては、虹はポピュラーな題材ではあります。ただ様々なお店が趣向を凝らしている中、衣のような見せ方に目を奪われました。



まるで十二単の唐衣のように雅やか。とても上品です。
これは私の感覚だけど、「虹」は幸せの象徴でもあると思っていて。出現条件が限られているのと、あっという間に消えていく儚さとあいまって、見つけた時の高揚感に特別なものを感じる。優しい色彩もすてき。
こちらは梅雨の時期限定。期間限定が惜しいですが、季節のうつろいとともに意匠を変えるのが上生菓子なので、買えたらラッキーということで。来年もどうか販売されますように!
新潟県長岡市の老舗「越乃雪本舗大和屋」
越乃雪本舗大和屋は江戸時代の1778年に新潟県長岡市で創業した、約230年続く老舗です。
お店の始まりは、安永7年(1778年)に9代目長岡藩主の牧野忠精(まきのただきよ)が病に伏した時のこと。同店の初代・大和屋庄左衛門の献上したお菓子によって忠精公が快癒、たいそう喜んだ藩主は菓子に「越乃雪(こしのゆき)」の銘を与え、大和屋庄左衛門は長岡藩御用達の菓子司(かしし)※1となりました。
年号が明治に変わり廃藩置県が行われ、長岡藩が消滅した後も。そして戦中戦後、現代に至るまで、一度も途絶えることなく今に受け継がれきた「越乃雪」。
同店の看板商品であるとともに日本三大銘菓の一つに数えられる、名実ともに素晴らしい菓子として知られています。


「越乃雪」は、地元・長岡産の糯(もち)米から作られた特製の寒ざらし粉に、徳島県の特産・和三盆糖を配合した「押し物」です。きめ細やかな口溶け、端正な意匠は、越後に降り積もる雪になぞらえて作られたそう。



寒ざらし粉とは白玉粉の別名。昔は冷温設備がなかったため、冬季の冷たい水を使い、寒風にさらして作っていたことから名付けられました。
また、和三盆糖は岡田製糖所(創業は200年以上前!)製。まぶす際に使われるサラサラとした「かわき」ではなく、水分を多く含んだ「生」を使用しているのだとか。この「生」が食感のキモになっているのかも。
さて、初代・大和屋庄左衛門がイメージした雪とは。ここでお店の地元、長岡市についても触れておきたい。
※1 菓子の専門店
地元の長岡市は豪雪地帯
長岡市は新潟県のほぼ中央に位置し、新潟市に次いで2番目に人口が多い街。年間の降水量の50%を冬季が占めていて、そのほとんどが降雪によるものです。
市の中心部でも、多い時は63cm※2 も積もるのだとか!さすが雪国、積雪量が半端ではありません。


雪質は、水気の多い「湿り雪」です。日本海から流れてくる暖かく湿った空気が冷やされ、湿り気のある雪がどっさり降り積もる。それが、長岡なのです。
初代が題材とした雪も、サラサラのパウダースノーではなく、水を含んだ雪だったのではないでしょうか。
※2 2019年12月~2024年2月までの最深積雪量の平均値。参考サイト「長岡のはじめ方」
「越乃雪」は越後の雪を表現した、雪深い土地ならではの銘菓
「越乃雪」に話を戻しましょう。


ほんの少し黄味がかった、一見すると何の変哲もない真四角のお菓子。しかし口に入れたとたん、一瞬にして崩れてしまいます。
「口の中ですっと崩れる、ほどける」たぐいの和菓子は珍しくありませんが、こちらはまさに「口に入れた瞬間」。えっ、そんなに早く、形がなくなる? どうやってその形を保っていられた?…と混乱するほどの繊細さ。



例えるなら、しっかり固めた砂のお城が波にさらわれていくイメージに近いかも。
では全く水分がないのかと言えば違う、舌の上で感じる”しとっ”とした湿度。
「一瞬で形がなくなるのに、水気を感じる」。
我ながら矛盾している説明なのだけど、その実、そうなんです。
この「しとっ」が、品の魅力、ひいては越後の風景を大いに語っているように思う。新潟県を訪れたことはまだないし、日本海の雪も経験したことはないけれど、ありありと想像できる。新潟の雪は、きっとこんな感じなんだろうな、と。


商品名とあいまって、音もなく降りつもる雪が思い浮かぶ。縁もゆかりもない関西の人間に、越後の雪景色をイメージさせてくれるとは。なんて美しい和菓子なんでしょう。
シンプルな形に込められた老舗の神髄に触れたような気がして、強く心を揺さぶられたひととき。



「表現」ってビジュアルや味わいだけじゃない。その地域の魅力を食感でも表現できるんや、と驚かされました。
「雨上がり」も「越乃雪」も、作り手が見つめる美しい景色を見せていただいたような感覚を抱きました。新潟・長岡の風景を、いつかこの目で見てみたいと思いました。ごちそうさまでした!
「雨上り」の商品情報・通販・店舗情報まとめ
商品名:雨上り
内容量:4個
価格:2,160円+送料
賞味期限:約2ヶ月※冷凍状態の場合。正確な賞味期限は商品の食品表示を参照
保存方法:-18℃以下
原材料・栄養成分
原材料:砂糖(国内製造)、白あん、白玉粉、水飴、卵白(卵を含む)、寒天/トレハロース、赤色3号、赤色106号、黄色4号、青色1号
栄養成分(100gあたり):エネルギー260kcal/たんぱく質5.0g/脂質0.3g/炭水化物63.3g/食塩相当量0g
店舗情報
越乃雪本舗大和屋
公式サイト:https://www.koshinoyuki-yamatoya.co.jp/
公式オンラインショップ:
上生菓子 https://jonamagashi.base.ec/
そのほか https://koshinoyuki.official.ec/
〒940-0072 新潟県長岡市柳原町3-3
TEL:0258-35-3533
営業時間 9:00~17:30
定休日 なし
「雨上り」のQ&A
- ギフトにおすすめできますか?
-
年齢問わず、どなたにも自信をもっておすすめできるギフトです。もちろん自宅用にもぜひ。
- のしはつけられますか?ギフト包装は可能ですか?
-
店舗へお問い合わせください
- いつどこで販売されていますか?
-
公式オンラインショップ https://jonamagashi.base.ec/ で販売。6月下旬まで
※2025年の場合。詳細は店舗へお問い合わせください。
- どれくらい日持ちしますか?
-
冷凍保存で約2ヶ月。常温で約3日(解凍日を含める)、なるべく早めに、高温多湿を避ける。
- 解答方法を教えて
-
常温で2~3時間解凍
- 決済の種類を教えて
-
クレジットカード各種、Amazonpay、あと払い(PayID)、キャリア決済(d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い・ワイモバイルまとめて支払い)
- 一度に何箱買えますか?
-
5箱まで
- いつでも買えますか?
-
期間限定商品です。※現在は販売終了
コメント